第1章:はじめに
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | GROW工程管理 on kintone |
| 対象製品バージョン | Ver.4.0 |
| ドキュメント更新日 | 2026-02-23 |
1-1. GROW工程管理とは
「GROW工程管理 on kintone」は、多品種小ロット・受注生産型の製造業に特化した、kintone上で動く工程管理・生産スケジューラです。

GROW工程管理が解決する課題
「Excelや紙での生産計画は限界…」そんな現場の悩みを解決します。
- Plan(計画系業務)の課題
- Excelや紙の工程管理表での計画作成は工数がかかりすぎる。
- リソース(設備・人)の割当や負荷バランスの調整が難しい。
- 急な計画変更(リスケ)が大変で、柔軟に対応できない。
- Do(実行系業務)の課題
- 紙やホワイトボードでの計画共有では、優先順位のズレや段取り不足が発生する。
- リアルタイムな進捗管理が難しく、問題への早期対応ができない。
- 余力管理が勘任せになり、新規受注の可否判断がブレる。
- See(分析系業務)の課題
- 手書きの実績記入は二度手間になり、間違いも多い。
- 工程別の実績データを、次回の見積や計画に活用したい。
- 案件別の工数集計・分析で、製造原価を見える化したい。

このシステムでできること
GROW工程管理は、役割に応じた適切な機能を提供し、業務フロー全体をスムーズにします。
生産管理者が「工場全体の最適化」を計画し、現場リーダーが「リソースの最適化」を図る。
1. 全体計画の立案(生産管理者)
- 製造オーダ登録:受注情報の取り込み、および製造指示データの作成。
- 製造工程設計:製造プロセス(手順・標準時間・使用リソース)を定義。
- 自動スケジューリング(小日程計画):納期とリソースの空き状況を計算し、実行可能な「小日程計画」を自動作成。
2. 直近スケジュールの微調整(現場リーダー・職長など)
- 余力・負荷管理:設備・担当の負荷状況を可視化し、無理のない計画かを確認。
- 日程&負荷調整:kintone ガントチャート(工程管理表)で直近の計画を微調整(リスケ)。
- 計画確定:調整した計画を確定し、現場へ作業指示(差立て)を発行。
3. 製造実績の登録(工場作業者)
- 差立てビュー(作業指示):自分に割り当てられた作業を一覧で確認。
- 実績登録:タブレット等から、作業の開始・終了をリアルタイムに入力。
4. 予実分析と改善(管理者)
- 生産性分析:蓄積された実績データから、予実差異や稼働率を分析。
- ボトルネック改善:データに基づいてボトルネックを特定し、改善活動へ。
3つの特長
- セミオーダー型 kintoneシステム
- 市販パッケージと比較して、柔軟性と機能拡張性が高いのが特長です。また、kintoneでゼロから構築する場合と比較し、業種・業態別のベストプラクティスを手軽に、低価格で入手可能です。
- 低コストかつシンプルな生産スケジューラ
- 既存の生産スケジューラと比較して圧倒的な低コストを実現。また、専任エンジニアがいなくても使えるシンプルな操作性です。
- TOC理論に基づく個別最適⇒全体最適な計画策定
- TOC理論とは、ボトルネック工程に着目して、全体最適化を図る理論。固定費を増やさずに、工場の生産性を向上することができます。

1-2. 業務フローの全体像
GROW工程管理では、以下のような流れで業務を進めます:

受注登録 → 製造オーダ登録 → 製造工程設計 → 日程計画 → 日程調整・指示 → 作業実績登録 → 分析・改善
↑ ↓
└───────────────────────────────────────────────────────────────────┘
(改善サイクル)
業務フローの各ステップ
| ステップ | 担当者 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 1. 受注登録 | 受注担当 | 顧客からの注文を登録 |
| 2. 製造オーダ登録 | 生産管理者 | 製造指示を作成・展開 |
| 3. 製造工程設計 | 生産管理者 | 工程の順序・標準時間・リソースを定義 |
| 4. 日程計画(全体) | 生産管理者 | 自動スケジューリングで「工場全体の最適化」を計画 |
| 5. 日程調整・指示 | 現場リーダー | 現場の状況に合わせて微調整し、作業指示を確定 |
| 6. 作業実績登録 | 現場作業者 | 自分への指示を確認し、作業時間を記録 |
| 7. 分析・改善 | 生産管理者 管理者 |
工数集計、予実差異分析、ボトルネック改善 |
この流れを実際に体験できるのが**【基礎編】第5章「基本操作ガイド」**です。
GROW工程管理が選ばれる理由
- 圧倒的な低コスト
- 開発規模が数千万単位になるスクラッチ開発や、数百万円かかるパッケージソフトと比較して、導入負担が極めて小さいのが特長です。
- 専任のエンジニア不要、kintone管理者レベルで運用可能
- シンプルな設計+kintoneなので、自社業務に合わせやすく、kintoneの管理者レベルの知識があれば十分に運用可能です。専任のエンジニアを雇う必要はありません。
- カスタマイズ性が高く、機能拡張もしやすい
- 一般的なパッケージソフトではカスタマイズが困難ですが、GROW工程管理はkintone上で動くため、自社の業務に合わせて柔軟に機能を追加・修正できます。他業務への展開や外部システム連携も得意です。
1-3. 本マニュアルの使い方
マニュアルの4部構成
本マニュアルは以下の4部構成になっています:
| 編 | 章 | 内容 |
|---|---|---|
| 【基礎編】 | 第1〜5章 | GROWの概要・用語・機能を理解し、標準的な業務フローの基本操作ができるようになります。 |
| 【実践編】 | 第6〜9章 | 自社環境を構築し、業務シナリオ別の操作手順を習得して実務で使えるようになります。 |
| 【リファレンス編】 | 第10〜12章 | 計画・実行・分析の各画面と機能の詳細仕様を確認できます。辞書的にご活用ください。 |
| 【応用編】 | 第13〜15章 | kintone連携・拡張や運用管理のポイントを学び、自社に合わせた高度な活用ができるようになります。 |
対象読者別のおすすめ読み方
【工場作業者の方】
自分の作業指示を確認して、実績を登録する方法を学びます。
- 基礎編 第1章:システムの概要を理解
- 基礎編 第3章:最低限の用語を覚える(製造オーダ、工程、ステータスなど)
- 基礎編 第5章:作業指示の確認と実績登録の基本操作を習得
✅ これだけで日々の作業ができるようになります!
【生産管理者・現場リーダーの方】
製造オーダの登録から日程計画、進捗管理、分析までの全業務を学びます。
- 基礎編 全章(第1〜5章):システム全体の理解と基本操作を習得
- 実践編 第6章:自社環境の運用準備(マスタ設定)
- 実践編 第7〜9章:業務シナリオ別の操作手順を習得
- リファレンス編 第10〜12章:各画面・機能の詳細仕様を確認
✅ 計画業務を効率化できます!
【システム管理者の方】
マスタ設定、ユーザー管理、トラブルシューティングなど、システム運用を学びます。
- 基礎編 全章(第1〜5章):システム全体を理解
- 実践編 第6章:マスタ設定と運用準備を習得
- 応用編 第14章:運用管理のポイントを確認
- 応用編 第15章:トラブルシューティングを確認
✅ システムの管理・運用ができるようになります!
1-4. ログイン方法
ログイン手順
- Webブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edgeなど)を起動します。
- 自社のkintoneログインURL(例:
https://your-company.cybozu.com/)にアクセスします。 - ユーザー名とパスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックします。
- ポータル画面から「GROW工程管理」のスペースまたはアプリを選択します。
これで第1章は完了です。次の第2章では、GROW工程管理のシステム全体像について学びます。
第2章:システム全体像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | GROW工程管理 on kintone |
| 対象製品バージョン | Ver.4.0 |
| ドキュメント更新日 | 2026-02-14 |
本章では、生産スケジューラであるGROW工程管理がどの業務をカバーするシステムなのか、またどのようなアプリ構成で動作しているかを解説します。
2-1. GROW工程管理がカバーする業務範囲
製造業の業務は、見積・受注から始まり、生産計画・製造管理・実績管理を経て、検査・出荷・請求へと続きます。
GROW工程管理は、この流れの中で生産計画・製造管理・実績管理の3領域をカバーします。

受注情報や見積作成など上流の業務、および検査・出荷・請求など下流の業務はスコープ外です。
既存の基幹システムやkintoneアプリとの連携により、上流・下流の業務とデータを受け渡すことができます。
2-2. kintoneアプリパックとしての提供形態
GROW工程管理は、kintoneアプリ+プログラムをセットにした「アプリパック」形式で提供されます。

この形態には以下のメリットがあります。
- 既存のkintoneに追加導入しやすい — すでにkintoneを利用している企業は、そのまま追加導入できます。
- kintone標準機能を活用できる — kintoneのレポートやグラフなど標準機能をそのまま利用できます。
- 拡張性が高い — 外部システムとの連携や、kintone上での機能追加が柔軟に行えます。詳しくは次節「2-3. kintoneならではの拡張性」で説明します。
2-3. kintoneならではの拡張性
GROW工程管理は「生産計画・製造管理・実績管理」にスコープを絞った製品ですが、kintone上で動作するアプリパックという特性上、スコープの外側も柔軟に対応できます。

具体的には、以下の3つの方向で拡張が可能です。
- 基幹システム・外部クラウドとの連携 — REST APIやCSV連携を使って、ERPや会計システムなどとデータを同期できます。基幹システムからの製番取込や、完了実績のERPへの計上などが代表的な連携例です。
- GROW内部のカスタマイズ — kintoneのプラグインやJavaScriptカスタマイズにより、自社業務に合わせた機能追加が可能です。
- kintone上の別アプリとの連携 — 受注管理・発注管理・在庫管理など、同じkintone環境上の他のアプリとシームレスに連携できます。
パッケージソフトの「すぐ使える手軽さ」と、スクラッチ開発の「自由な拡張性」を両立しているのが、GROW工程管理がセミオーダー型と呼ばれるゆえんです。
2-4. システム構成図
GROW工程管理は、kintone上の複数のアプリが連携して動作します。
中心となるのは「製造管理アプリ」「工程管理アプリ」「作業実績アプリ」の3つです。
これらを、マスタ系・ユーザ定義系のアプリ群が支えています。

基幹システムや既存の受注管理アプリからデータを受け取り、GROW工程管理の範囲内で生産計画から実績管理まで完結させることができます。
2-5. アプリ構成の詳細
GROW工程管理システムは、役割とデータの性質に応じて以下の5つのカテゴリーに分類されたアプリ群で構成されています。
各アプリには アプリNo. が付与されています。このNo.はkintoneのアプリIDとは別に、環境によらず共通して使用される識別番号です。
1. トランザクション系アプリ(No.11〜17)
日常の生産活動に直結する動的なデータを管理するアプリ群です。製造オーダの登録から計画、実績まで、業務フローの中心となるデータを扱います。
| No. | アプリ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 11 | 製造管理 | 製造対象の案件(製造オーダ)を登録・管理します。 |
| 12 | 工程管理 | 工程管理の中心となるメインアプリ。ガントチャート(工程管理表)による可視化、工程間の順序関係、担当・設備の割り当て、スケジュールの進捗管理を行います。 |
| 13 | 作業実績 | 作業実績の登録や確認を行います。 |
| 14 | 外注実績 | 外注工程の実績を管理します。 |
| 15 | 入庫管理(仕掛品) | 仕掛品の入庫データを管理します。※v4.1追加予定 |
| 16 | 出庫管理(仕掛品) | 仕掛品の出庫データを管理します。※v4.1追加予定 |
| 17 | 在庫管理(仕掛品) | 仕掛品の在庫残数を管理します。※v4.1追加予定 |
2. 分析系アプリ(No.21〜22)
蓄積されたデータを用いて、工程の生産性や製造オーダの予実などの分析を行うアプリ群です。
| No. | アプリ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 21 | 工程分析 | 工程の生産性分析。※v4.1追加予定 |
| 22 | 製造オーダ分析 | 製造オーダの予実分析。※v4.1追加予定 |
3. ユーザ定義系アプリ(No.31〜34)
システムの稼働に必要なリソースの稼働条件やカレンダー設定など、運用前にユーザーが定義・設定するアプリ群です。
| No. | アプリ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 31 | ユーザー管理 | 製造工程設計や日程計画を行える権限を持つkintoneユーザーを登録します。 |
| 32 | 休日管理 | 工場やラインの稼働日・休日カレンダーを管理します。 |
| 33 | 設備稼働管理 | 設備ごとの稼働/非稼働の状況を登録します。 |
| 34 | 担当稼働管理 | 担当者ごとの稼働/非稼働の予定を登録します。 |
4. マスタ系アプリ(No.41〜46)
マスタデータとは、組織や生産プロセスの基本的な要素(設備・担当者・工程など)を定義した基準情報です。
スケジューリングや実績登録のプログラムはマスタデータを参照して動作しますが、通常の業務の過程で更新されることはありません。マスタデータの保守(追加・変更・削除)はkintoneの詳細画面から行います。
| No. | アプリ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 41 | 工程マスタ | 製造工程設計で使用する工程のひな型を管理します。工程名・設備利用有無・kintone ガントチャート(工程管理表)の表示色などを定義します。 |
| 42 | 設備マスタ | 製造で使用する設備の一覧を管理します。稼働開始・終了時刻など、スケジューリングの基準となる情報を保持します。 |
| 43 | 設備グループマスタ | 設備をグループ化して管理します。製造工程設計で設備グループを指定しておくことで、スケジューリング時にグループ内の空き設備が自動的に割り当てられます。 |
| 44 | 担当マスタ | 工程を担当する社員の一覧を管理します。就業開始・終了時刻など、スケジューリングの基準となる情報を保持します。 |
| 45 | 担当グループマスタ | 担当者をグループ化して管理します。製造工程設計で担当グループを指定しておくことで、スケジューリング時にグループ内の空き担当者が自動的に割り当てられます。 |
| 46 | 外注先マスタ | 外注工程の発注先となる協力会社の情報を管理します。製造工程設計や日程計画で外注先を指定する際に参照されます。 |
有効フラグと論理削除
休日管理を除くすべてのマスタには「有効フラグ」があります。レコードを削除する場合は有効フラグを「無効」に設定することで論理削除となり、過去の計画・実績データへの影響を防ぎます。
- 既存データの表示:論理削除済みのマスタを参照しているレコードも、そのまま表示されます。
- 新規データの作成・変更:論理削除済みのマスタは選択肢に表示されません。
マスタ変更時の注意
マスタデータを変更しても、すでに登録済みの製造工程設計や工程管理レコードにはkintoneのルックアップ機能により変更前の値が残ります。変更を反映させるには、参照している側のレコードを開いてルックアップを再読み込みする必要があります。
各マスタの詳細なフィールド仕様については、第6章を参照してください。
5. システム系アプリ(No.51〜58)
原則としてユーザーが直接操作することはなく、システムの裏側で自動処理やログ記録のために利用されるアプリ群です。
| No. | アプリ名 | 概要 |
|---|---|---|
| 51 | 製造工程設計 | 工程のテンプレート情報を管理します。ユーザーが製造工程設計モーダルを操作した際に、システムが自動的に読み書きします。 |
| 52 | 採番カウンタ | 製造No.などのユニークキーを採番するためのカウンタを管理します。 |
| 53 | 非稼働予定リソース | メンテナンス等による設備・担当の利用不可枠を管理します。 |
| 54 | メモイベント | ガントチャート上のメモやイベント情報を管理します。 |
| 55 | スケジューリング履歴 | 自動スケジューリングの実行履歴を記録します。 |
| 56 | 実行時ログ | プログラム実行時に発生したエラーやデバッグ情報を記録します。 |
| 57 | 認証ログ | ユーザー認証の履歴を保持します。 |
| 58 | システム設定 | ライセンス情報やカスタマイズ設定を保持します。 |
2-6. データの流れとレコード構造
受注番号1件に対して、複数の製造管理レコードが紐づきます。さらに製造管理レコード1件に対して複数の工程管理レコードが、工程管理レコード1件に対して複数の作業実績レコードが紐づく、階層構造になっています。

この構造により、1つの受注に対して「どの工程が」「いつ」「誰によって」実施されたかを、アプリをまたいで一貫して追跡できます。
具体的なデータ連携の流れは以下の通りです。
- 製造管理アプリ にオーダを登録すると、工程マスタ を参照して、工程管理アプリ に詳細な工程レコードが自動展開されます。
- 工程管理アプリ のデータを元に、数理最適化アルゴリズムによる自動スケジューリングが実行され、担当マスタ や 設備マスタ の情報を参照して最適なリソースを割り当てます。
- 工場作業者が作業を行うと、作業実績アプリ にデータが記録され、リアルタイムに 工程管理アプリ の進捗(予実)に反映されます。
2-7. ユーザーと権限
GROW工程管理を利用するためには、kintoneのユーザーアカウントに加え、専用の「ユーザー管理アプリ」での権限設定が必要です。
ユーザー管理アプリに登録がない場合、kintoneユーザーであってもGROW工程管理の機能を利用することはできません。
ユーザー管理アプリの設定項目
ユーザー管理アプリでは、以下の2つの情報を紐付けて登録します。
| フィールド | 意味 |
|---|---|
| ユーザー | kintoneのユーザーID |
| ロールグループ | 「閲覧者」または「計画者」を選択 |
ロールグループと権限
ロールグループには「閲覧者」と「計画者」の2種類があり、それぞれの権限は以下の通りです。
| ロールグループ | 権限範囲 | 想定ユーザー |
|---|---|---|
| 閲覧者 | ・工程情報(日程計画)の閲覧 ・作業実績の登録 |
工場作業者 ※担当マスタへの登録も別途必要です。 |
| 計画者 | ・閲覧者の全権限 ・工程の設計 ・日程計画の作成(スケジューリング) |
生産管理者・現場リーダー 計画の立案・変更やマスタ管理を行うユーザー。 |
これで第2章は完了です。次の第3章では、GROW工程管理で使われる重要な用語と概念について学びます。
第3章:用語と概念の理解
- 3-1. システム上の基礎用語
- 【用語】製造オーダ (Manufacturing Order)
- 【用語】製造工程設計 (Process Design)
- 【用語】日程計画 (Schedule Planning)
- 【用語】工程イベント (Process Event)
- 【用語】リソース (Resource)
- 【用語】リソースグループ (Resource Group)
- 3-2. 役割と権限
- 【役割】生産管理者 (Production Manager)
- 【役割】現場リーダー (Site Leader)
- 【役割】工場作業者 (Worker)
- ロールグループとの対応
- 3-3. スケジューリング・ガントチャート(工程管理表)に関する用語
- 【用語】自動スケジューリング (Auto Scheduling)
- 【用語】ガントチャート (Gantt Chart)
- 【用語】リスト欄 (List Pane)
- 3-4. ステータス定義
- 【用語】製造ステータス(製造オーダ単位)
- 【用語】作業ステータス(工程単位)
- 3-5. TOC(制約理論)の重要キーワード
- 【用語】ボトルネック (Bottleneck)
- 【用語】スループット (Throughput)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | GROW工程管理 on kintone |
| 対象製品バージョン | Ver.4.0 |
| ドキュメント更新日 | 2026-02-14 |
本章では、生産スケジューラであるGROW工程管理を運用する上で最低限理解しておくべき用語と概念を解説します。詳細な操作説明は各実践章で扱います。
3-1. システム上の基礎用語
GROW工程管理での生産計画(工程計画)は、以下の3つのステップで構成されます。

【用語】製造オーダ (Manufacturing Order)
「何を・いつまでに・どれくらい」製造するかを決定する管理単位です。
製造管理アプリの1レコードとして管理されます。工程計画の起点(Step.1)となります。
- 主な情報: 品番・製造期限・製造数
- 構成: 1つの製造オーダに対して、複数の「工程レコード(工程管理アプリ)」が紐づきます。
- 識別: 自動採番される「製造管理No」で識別されます。
【用語】製造工程設計 (Process Design)
製造オーダに対して、製造の流れ・必要なリソースグループ・各工程の標準時間を定義する作業です(Step.2)。
工程管理アプリ上で行います。
- 製造の流れ: 工程の順序と前後関係を定義します。
- リソースグループ: 各工程に設備グループ・担当グループを割り当てます。
- 標準時間: 前段取り時間・単位加工時間・後段取り時間を設定します。

【用語】日程計画 (Schedule Planning)
製造工程設計で定義した各工程について、誰が・どの設備で・いつから・いつまで行うかのスケジュール(小日程)を決める作業です(Step.3)。
自動スケジューリングにより自動的に割り当てることができます。
- 割り当て内容: 担当者・利用設備・開始予定日時・終了予定日時

【用語】工程イベント (Process Event)
ガントチャート上の工程バーを「工程イベント」と呼びます。
工程名・開始日時・終了日時のセットを1つの工程イベントとして扱います。

- 所要時間の計算: 以下の式で自動計算され、ガントチャートのバーの長さ(期間)として反映されます。
所要時間 = 前段取り時間 +(単位加工時間 × 製造数)+ 後段取り時間
各工程イベントは、日程計画(Step.3)によって以下の属性情報が割り当てられます。

- 予定日時: 開始予定日時・終了予定日時・占有時間(所有時間)
- 設備リソース: 主設備・副設備(最大2つ)
- 担当リソース: 主担当・副担当(最大2つ)
【用語】リソース (Resource)
担当者リソースおよび設備リソースの総称です。スケジューリングの対象となる資源(設備・人)のことを指します。
【用語】設備リソース
管理対象として登録され、有効に設定されている設備のことです。
【用語】担当リソース
管理対象として登録され、有効に設定されている担当者のことです。
【用語】リソースグループ (Resource Group)
設備グループと担当グループの総称です。
- 設備グループ: 代替可能な設備をまとめたグループ(例:NC旋盤グループ)。
- 担当グループ: 代替可能な担当者をまとめたグループ(例:組立チーム)。
- スケジューリングでの役割: 製造工程設計段階では、特定のリソースではなくリソースグループを指定します。自動スケジューリング実行時に、グループ内の空いている具体的なリソースが自動的に割り当てられます。
3-2. 役割と権限
GROW工程管理では、以下の3つの役割(ロール)に基づいて運用します。
【役割】生産管理者 (Production Manager)
- ミッション: 工場全体の最適化(Overall Optimization)
- 主な権限:
- マスタデータの管理
- 製造オーダの登録・編集
- 製造工程設計(プロセスの定義)
- 自動スケジューリングの実行(中長期計画の策定)
【役割】現場リーダー (Site Leader)
- ミッション: 現場の最適化・実行可能性(Feasibility)の確保
- 主な権限:
- 直近スケジュールの微調整(日程&負荷調整)
- 工場作業者への作業指示(差立て)
- 設備・担当の負荷状況のモニタリング
【役割】工場作業者 (Worker)
- ミッション: 正確な作業実行と実績報告
- 主な権限:
- 自分への作業指示(To-Do)の確認
- 着手・完了の実績登録
ロールグループとの対応
第2章で説明したロールグループ(閲覧者・計画者)と、上記の役割の対応は以下の通りです。
| 役割 | ロールグループ |
|---|---|
| 生産管理者 | 計画者 |
| 現場リーダー | 計画者 |
| 工場作業者 | 閲覧者 |
3-3. スケジューリング・ガントチャート(工程管理表)に関する用語
【用語】自動スケジューリング (Auto Scheduling)
- システム定義: ボタン1つで実行される、数理最適化アルゴリズムによる自動日程計算機能です。主に生産管理者が使用します。
- 計算の考え方: リソースの占有率が100%を超えない範囲で、なるべく早い日程を自動的に割り当てます。
- 詳細な挙動: 第6章(業務フロー実践ガイド)で解説します。

【用語】ガントチャート (Gantt Chart)
- システム定義: 工程管理アプリのデータを時系列で可視化した、デジタル工程管理表です。生産管理者による全体確認や、現場リーダーによる日程調整・進捗確認に利用されます。用途に合わせて、以下の3つのモードを切り替えて使用します。

【用語】オーダ別ガントチャート
製造オーダ単位で、工程イベントの予定と進捗を時系列で可視化するビューです。
- 視点: 製造オーダ起点
- 目的: 「このオーダは、いま、どこまで進んでいるか?」「納期に間に合うのか?」を確認します。

【用語】設備別ガントチャート
設備(機械)ごとに、工程イベントの予定と進捗を時系列で可視化するビューです。
- 視点: 設備リソース起点
- 目的: 「この設備は、詰まっていないか?」「負荷が偏っていないか?」を確認します。

【用語】担当別ガントチャート
担当者ごとに、工程イベントの予定と進捗を時系列で可視化するビューです。
- 視点: 担当リソース起点
- 目的: 「この人に仕事が集中していないか?」「手待ち・過負荷は発生していないか?」を確認します。

3つのガントチャートの使い分け

【用語】リスト欄 (List Pane)
ガントチャート画面の左側にあり、スケジュール対象(製造オーダや設備、担当者)が一覧表示されるエリアです。

アクションメニュー
各行のメニューボタンから、詳細表示や編集などのアクションを実行できます。

製造ステータスの表示
リスト欄には、各オーダの現在の製造ステータスがアイコンで表示されます。ステータスの定義については 3-4 を参照してください。

3-4. ステータス定義
製造オーダ単位の「製造ステータス」と、工程単位の「作業ステータス」の2種類があります。

【用語】製造ステータス(製造オーダ単位)
- 計画中: まだ確定していない状態。シミュレーション段階。
- 計画確定: 現場への作業指示が可能な状態。自動スケジューリングの対象外(固定)となる場合があります。
- 仕掛中: いずれかの工程が着手されている状態。
- 製造完了: すべての工程が完了した状態。
【用語】作業ステータス(工程単位)
- 作業前: まだ着手していない状態。
- 作業中: 現場で「開始」ボタンが押された状態。
- 作業完了: 現場で「終了」ボタンが押され、実績(完了数)が入力された状態。
3-5. TOC(制約理論)の重要キーワード
GROW工程管理は、TOC(Theory of Constraints:制約理論)の考え方を取り入れています。TOCとは、「制約条件」を継続的に改善して、システム(会社や工場など)のパフォーマンス向上を実現するための理論です。

出典:エリヤフ・ゴールドラット著『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)
【用語】ボトルネック (Bottleneck)
- 定義: 生産プロセス全体の中で、処理能力が最も低く、全体の生産スピードを決定づけている工程やリソースのことです。瓶の首(ネック)が細いとそこから出る水の量が制限されることに由来します。
- 運用のポイント: ボトルネック以外の工程をいくら改善しても、全体の生産量は増えません。ボトルネック工程を止めてはいけない、ボトルネックの能力を最大限活用する、というのがTOCの基本的な考え方です。

【用語】スループット (Throughput)
- 定義: 製品を販売することによって企業が生み出す 利益(付加価値) のスピードです。
- GROW工程管理での目標: 単に「機械を動かすこと」や「在庫を作ること」ではなく、スループット(利益)を最大化する ような全体最適なスケジューリングを目指します。
これで第3章は完了です。次の第4章では、GROW工程管理の機能一覧を確認します。
第4章:製造工程管理 機能一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | GROW工程管理 on kintone |
| 対象製品バージョン | Ver.4.0 |
| ドキュメント更新日 | 2026-02-14 |
GROW工程管理は、kintone上で動く生産スケジューラです。
生産管理・製造工程管理に必要な機能を、「計画(Plan)」「実行(Do)」「分析(See)」の3つのフェーズと、運用支援機能に分けて紹介します。

4-1. 計画系機能(Plan)
生産計画の中で最も詳細な段階となる、製造工程の小日程計画を立案し、現場への確実な指示を作成するための機能群です。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| 製造オーダ登録 | 「何を・いつまでに・何個」製造するかを決定する、工程計画の起点となる機能です。 ・受注データとは独立して製造ロットサイズを決定できます ・1つの受注を複数ロットに分割して製造することも可能 ・複数の受注をまとめて1ロットで製造することも可能 |
| 製造オーダ展開 | 製造管理アプリのオーダ情報を、工程管理アプリにデータ展開します。 ・展開時に製造管理No(製造番号)が自動発行されます ・複数レコードの一括展開に対応 ・受注内容・製造ロットサイズ・納期の変更が生じた場合の再展開にも対応 |
| 製造工程設計 | 「どのような工程で作るか」を定義する機能です(第3章 Step.2参照)。 ・製造工程の流れ(工程の順序・前後関係)を定義 ・各工程にリソースグループ(設備グループ・担当グループ)を割り当て ・各工程の標準時間(前段取り・加工・後段取り)を設定 |
| 日程計画 | 「誰が・どの設備で・いつからいつまで」作業するかを決める機能です(第3章 Step.3参照)。 ・各工程に担当者・利用設備・開始/終了日時を割り当て ・日々の作業単位に落とし込んだ**「小日程計画」を作成 ・後述の自動スケジューリングで自動作成することも可能** |
| 自動スケジューリング | 生産スケジューラとしてのGROW工程管理の中核機能です。 ・リソースの空き状況を計算し、占有率100%を超えない範囲で最も早い日程を自動作成 ・フォワード(開始日基準で早めに組む)・バックワード(納期基準で逆算して組む)の2方式に対応 ・製造ステータスが「計画中」「計画確定」「仕掛中」のオーダを対象に再スケジューリングも可能 |
| 未割当一覧 | 担当者や設備がまだ割り当てられていない工程イベントを一覧表示します。 ・未割当工程を選択すると、その工程を含む製造オーダーに属するすべての工程イベントがガントチャートに絞り込み表示 ・割当が必要なオーダーに素早くフォーカスできます |
| 稼働管理(設備/担当) | 自動スケジューリングの精度を左右する、非常に重要な機能です。 工場全体の休日・就業時間だけでなく、リソース(設備・担当者)ごとの個別の稼働時間帯・非稼働時間帯を定義できます。 ・例:「この設備は午前中に計画メンテナンスがある」 ・例:「この担当者はこの日の午前は休暇」 スケジューラがこれらの個別事情を考慮した上で、実行可能な日程を自動作成します。 |


4-2. 実行系機能(Do)
製造工程の作業遂行を現場で支援し、生産管理に必要な進捗情報をリアルタイムに共有するための機能群です。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| ガントチャート(工程管理表) | 工程の予定・進捗を時系列で可視化するデジタル工程管理表です(第3章 3-3参照)。 利用シーンに応じて3種類のビューを切り替えられます: ・オーダ別:「このオーダは今どこまで進んでいるか」を確認 ・設備別:「この設備の負荷は詰まっていないか」を確認 ・担当別:「この人に仕事が集中していないか」を確認 タイムスケール(時間・日・週単位)の切り替えにも対応 |
| 製造工程の進捗管理 | 2種類のステータスで、製造の進捗をリアルタイムに把握します(第3章 3-4参照)。 ・製造ステータス(オーダ単位):計画中 → 計画確定 → 仕掛中 → 製造完了 ・作業ステータス(工程単位):作業前 → 作業中 → 作業完了 |
| 余力・負荷管理 | リソースの使用状況(負荷)と空き能力(余力)をグラフで見える化します。 ・ガントチャートと連動しており、ボトルネック工程を視覚的に把握可能 ・負荷の偏りを調整し、実行可能な計画へのリスケを支援 (TOCのボトルネック概念については第3章 3-5参照) |
| 差立てビュー | タブレットやPCの画面に、現場作業者への作業指示を表示する機能です。 ・自分に割り当てられた作業を一目で確認 ・前工程の完了状況を確認してから着手可能 ・作業実績登録画面へ直接遷移できます |
| 工程イベントダイアログ | ガントチャート上の工程イベント(工程バー)をクリックして開く詳細画面です(第3章 3-1参照)。 ・作業実績の登録・完了報告 ・工程イベントの削除・編集 |

4-3. 分析系機能(See)
蓄積された生産管理・工程管理データを活用し、工場の生産性向上につなげるための機能群です。
バージョン補足: 工数集計・分析機能はv4.1での追加予定です。v4.0では「作業実績登録」「外注実績登録」「BIツール連携」をご利用いただけます。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| 作業実績登録 | 製造工程別の作業実績を登録する機能です。分析系機能すべての基盤となります。 ・作業の開始・終了・中断を登録 ・登録後、作業状況がリアルタイムにガントチャートへ反映 ・実績登録したい項目の追加カスタマイズにも対応 |
| 外注実績登録 | 外注工程の作業実績を登録する機能です。 ・外注先からの完了報告をシステムに反映 ・登録後、外注工程の進捗がガントチャートに反映 ・作業実績登録と同様に分析データの基盤となります |
| 案件別 工数集計・分析 | 製造オーダ(案件)単位で工数を集計・分析します。 ※v4.1追加予定 ・実績工数と計画工数の予実差異を分析 ・製造原価の見える化に活用できます |
| 製造工程別 工数集計・分析 | 製造工程単位で工数を集計・分析します。 ※v4.1追加予定 ・実績工数と計画工数の予実差異を分析 ・ボトルネック製造工程の特定と改善に活用できます |
| BIツール連携 | 蓄積した実績・計画データを外部BIツールと連携します。 ・自社独自のレポートやダッシュボードを構築可能 ・kintoneの標準グラフ機能との組み合わせも可能 |

4-4. その他・運用支援機能
生産管理システムとしてのGROW工程管理を円滑に運用・管理するための機能群です。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| 運用チェックツール | システム設定の誤りやデータの不整合を自動検出します。 ・正常稼働の維持に活用 ・問題発生時の原因調査に活用 |
| 環境構築ツール | システムの初期セットアップを支援します。 ・アプリ間の連携設定を一括で構成 ・導入時の環境構築を効率化 |
| マスタ変更反映ツール | マスタ変更を既存データに一括反映します。 ・品目・工程・リソース等のマスタ改訂後、既存の製造オーダ・工程データへ自動反映 ・マスタ改訂後の手作業修正が不要になります |
これで第4章は完了です。次の第5章では、標準業務フローに沿った基本操作を体験します。
第5章:製造工程管理 基本操作ガイド
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | GROW工程管理 on kintone |
| 対象製品バージョン | Ver.4.0 |
| ドキュメント更新日 | 2026-02-14 |
本章では、生産スケジューラであるGROW工程管理の標準的な業務フローに沿って、各役割の基本操作を解説します。一通りの操作を体験することで、製造工程管理システム全体の流れをつかむことができます。

| 役割 | 主な操作 | 使用するアプリ |
|---|---|---|
| 生産管理者 | 製造オーダ登録・製造工程設計・日程計画 | 製造管理アプリ・工程管理アプリ |
| 現場リーダー | 日程&負荷調整・計画確定・進捗管理 | 工程管理アプリ |
| 工場作業者 | 作業指示確認・実績登録 | 作業実績アプリ |
各操作の詳細なユースケースや設定については、**実践編(第7〜8章)**で解説します。
5-1. 生産管理者の基本操作
5-1-1. 製造オーダの登録
使用アプリ:製造管理アプリ
製造オーダとは「何を・いつまでに・何個」製造するかを決める管理単位です(詳細は第3章 3-1参照)。
操作手順:
- 製造管理アプリを開き、「レコード追加」をクリックします
- 以下の必須項目を入力します
| 入力項目 | 説明 |
|---|---|
| 品番 | 製造対象の品番 |
| 製造納期 | 納品期限 |
| 製造数 | 製造する数量(製造ロットサイズ) |
- 「保存」をクリックします
5-1-2. 製造オーダの展開
使用アプリ:製造管理アプリ
製造オーダを登録しただけでは工程は作成されません。「展開」操作により、工程管理アプリに工程レコードが自動生成されます。
操作手順:
- 製造管理アプリで登録したレコードの詳細画面を開きます
- 「製造オーダ展開」ボタンをクリックします
- 確認ダイアログで「実行」をクリックします
展開後の結果:
- 製造管理No(製造番号)が自動採番されます
- 工程管理アプリに工程レコードが作成されます
5-1-3. 製造工程設計
使用アプリ:工程管理アプリ(製造工程設計画面)
製造工程設計とは「製造工程の流れ・リソースグループ・標準時間」を定義する作業です(詳細は第3章 3-1参照)。
操作手順:
- 工程管理アプリのガントチャート画面を開きます
- 対象の製造オーダを選択し、アクションメニューから「製造工程設計」をクリックします
- 製造工程設計画面で以下を設定します:
- 工程の追加:左側の工程マスタ一覧からキャンバスへドラッグ&ドロップ
- 順序の設定:工程を矢印でつないで前後関係を定義
- 各工程の設定:設備グループ・担当グループ・標準時間を入力
- 「保存」をクリックします

5-1-4. 自動スケジューリング(日程計画)
使用アプリ:工程管理アプリ(日程計画画面)
製造工程設計で定義した工程に対して、担当者・設備・日時を自動的に割り当てます。稼働管理で設定した各リソースの稼働時間帯・非稼働時間帯が考慮されます。
操作手順:
- ガントチャート画面で対象の製造オーダを選択し、「日程計画」をクリックします
- 日程計画画面で以下を設定します:
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
| スケジューリングモード | 「自動スケジューリング」を選択します |
| スケジューリング方法 | フォワード(開始日基準で早めに組む)またはバックワード(納期基準で逆算して組む) |
| 基準日時 | フォワードの場合は開始希望日、バックワードの場合は納期 |
- 「新規割当」ボタンをクリックして実行します

スケジューリングの考え方:各リソースの占有率が100%を超えない範囲で、なるべく早い日程を自動計算します。稼働管理で設定した計画メンテナンスや個人の休暇なども考慮されます。
5-1-5. 未割当工程の確認と対応
使用アプリ:工程管理アプリ(未割当一覧)
自動スケジューリング後、リソースが不足している場合など、担当者や設備が割り当てられていない工程が残ることがあります。未割当一覧で確認し、対応します。
操作手順:
- ガントチャート画面の「未割当一覧」を開きます
- 未割当の工程イベントが一覧表示されます
- 対象の工程を選択すると、その工程を含む製造オーダーに属するすべての工程イベントがガントチャートに絞り込み表示されます
- ガントチャート上で担当者・設備を割り当てます
未割当工程が残っている場合は、現場への確実な作業指示ができません。計画確定前に必ず確認してください。
5-1-6. オーダ状況の確認
使用アプリ:工程管理アプリ(ガントチャート)
自動スケジューリング後、ガントチャート(工程管理表)で結果を確認します。
- オーダ別ガントチャート:納期に間に合っているかを確認
- 設備別ガントチャート:設備の負荷が偏っていないかを確認
- 担当別ガントチャート:担当者の負荷が偏っていないかを確認

5-2. 現場リーダーの基本操作
5-2-1. 日程・負荷の調整
使用アプリ:工程管理アプリ(ガントチャート)
自動スケジューリングの結果を確認し、必要に応じて微調整を行います。
操作手順:
- ガントチャートを開き、工程バーの配置・納期適合を確認します
- 「余力表示ON」ボタンをクリックして、リソースの占有率(負荷)を確認します
- 占有率が高い場合や調整が必要な場合は、工程バーをドラッグして日時を変更します
調整方法:
- 工程バーをドラッグ:開始日時を変更
- 工程バーをクリック→ダイアログ:担当者・設備を変更
5-2-2. 計画確定と作業指示
使用アプリ:工程管理アプリ
調整した計画を確定し、現場への作業指示を発行します。
操作手順:
- ガントチャートで対象の製造オーダを選択します
- アクションメニューから「計画確定」をクリックします
計画確定後の変化:
- 製造ステータスが「計画中」→「計画確定」に変わります
- 工場作業者が差立てビューから作業指示を確認できるようになります
5-2-3. 進捗管理
使用アプリ:工程管理アプリ(ガントチャート)
工場作業者が実績を登録すると、ガントチャートにリアルタイムで反映されます。
確認方法:
- ガントチャートで計画バー(薄い色)と実績バー(濃い色)を比較します
- 実績バーが計画バーより右にはみ出している場合は遅延が発生しています

遅延が発生した場合は、「日程計画」→「後工程をリスケ」で後続工程の日程を再計算できます。
5-3. 工場作業者の基本操作
5-3-1. 作業指示の確認
使用アプリ:作業実績アプリ(差立てビュー)
計画確定後、自分に割り当てられた作業を確認します。
操作手順:
- 作業実績アプリの差立てビューを開きます
- 自分の担当作業の一覧が表示されます
表示内容:
- 工程名・開始予定日時・終了予定日時
- 担当設備・作業ステータス
担当別ガントチャートからも自分の作業指示を確認できます。
5-3-2. 作業実績の登録
使用アプリ:作業実績アプリ(実績登録画面)
作業の開始・終了をリアルタイムに登録します。登録された実績データは、ガントチャートへの即時反映と、分析系機能での工数集計に活用されます。
操作手順(作業開始時):
- 差立てビューで対象の工程を選択し「実績登録」をクリックします
- 実績登録画面でリソース(設備・担当)を確認します
- 「開始」ボタンをクリックします → 作業ステータスが「作業中」になります
操作手順(作業完了時):
- 実績登録画面を開き「工程完了」ボタンをクリックします
- 完了数を入力して「保存」をクリックします → 作業ステータスが「作業完了」になります
作業を中断する場合は「作業停止」ボタンをクリックします。再開時に再度「開始」をクリックすることで、実作業時間のみが正確に集計されます。
これで第5章は完了です。次の第6章では、自社環境でGROWを動かすための運用準備(マスタ設定)について説明します。