GROW工程管理(v4.0) ユーザーマニュアル 実践編

第6章:運用準備

項目 内容
対象製品 GROW工程管理 on kintone
対象製品バージョン Ver.4.0
ドキュメント更新日 2026-02-14

本章では、GROW工程管理を正しく動かすために必要な「初期設定」と、運用開始後の「定期メンテナンス」で行う設定内容を説明します。

タイミング 主な作業
導入時(初回のみ) ユーザー管理・休日登録・各種マスタの初期登録
定期メンテナンス 休日の追加・担当者や設備の変更・マスタの追加や無効化

導入時は本章の設定をすべて完了させてから、運用を開始してください。


6-1. ユーザー管理アプリの設定

GROW工程管理を利用するには、kintoneユーザーをユーザー管理アプリに登録する必要があります。登録されていないユーザーはGROW工程管理の機能を利用できません(詳細は第2章 2-7、第3章 3-2参照)。

登録のポイント:「ユーザ」欄には kintone のユーザ名を入力します。

フィールド 必須 意味
ユーザ Y kintoneのユーザ名を入力します。kintoneのログイン名と一致している必要があります。
ロールグループ Y 「計画者」または「閲覧者」を選択します。

ロールグループの定義:

ロールグループ 権限 対象ユーザー
計画者 製造オーダ登録・製造工程設計・日程計画・スケジューリング・マスタ管理など、すべての操作が可能 生産管理者・現場リーダー
閲覧者 工程情報の閲覧と作業実績の登録のみ可能 工場作業者

登録例:

ユーザ(kintoneユーザ名) ロールグループ 想定する役割
山田 太郎 計画者 生産管理者(製造オーダ登録・スケジューリングを担当)
鈴木 花子 計画者 現場リーダー(日程調整・計画確定を担当)
田中 次郎 閲覧者 工場作業者(作業指示の確認・実績登録のみ)

注意:「ユーザ」欄には kintone のログイン名(ユーザ名)を入力します。kintoneでは氏名がそのままユーザ名として登録されているケースが多いですが、社員番号やメールアドレスとは異なります。kintoneの管理画面でユーザ名を確認してから入力してください。


6-2. 休日管理

工場の休日(土日・祝日・長期休暇など)を登録します。**ここに登録した日は、生産スケジューラが非稼働時間帯として考慮します。**設備・担当ともにその日は使用不可の期間として扱われ、ガントチャートや余力管理の表示にも反映されます。

1レコード=1日の休日として登録します。週休2日制の土曜・日曜、祝日、年末年始などはすべて明示的に1件ずつ登録が必要です。会社独自・工場独自の休日(創立記念日・工場一斉メンテナンス日など)も同様に登録できます。

フィールド 必須 意味
休日 Y 休日の日付。1レコードに1日を登録します。
備考 N 管理用のメモ欄(「土曜日」「勤労感謝の日」など)。システムでは使用しません。

登録例:

休日 備考
2026/1/2
2026/11/3 文化の日
2026/11/7 土曜日
2026/11/8 日曜日
2026/11/14 土曜日
2026/11/15 日曜日
2026/11/21 土曜日
2026/11/22 日曜日
2026/11/23 勤労感謝の日
2026/12/5 土曜日
2026/12/6 日曜日
(以降、同様に1件ずつ登録)

休日一括登録ツール

1件ずつ手動登録する代わりに、休日一括登録ツールを使うと、指定した期間の土日・祝日をまとめて登録できます。

操作手順:

  1. 休日管理アプリを開き、「休日一括登録ツール」ボタンをクリックします
  2. ツール画面が開きます

  1. Step1. 対象期間の設定:一括登録する開始日・終了日を指定します
  2. Step2. 対象曜日の設定:休日としたい曜日と祝日を選択します
    • 「土日だけ」ボタンで土曜・日曜のみを一括選択できます
    • 「祝日」チェックボックスで日本の祝日も含められます
  3. 実行する」ボタンをクリックします

注意:対象期間にすでに登録済みの休日がある場合、二重登録になる場合があります。実行前に既存データを確認してください。

運用のポイント:翌年分の土日・祝日は年末までに登録しておくことを推奨します。登録漏れがあると、その日にスケジューリングが入ってしまいます。


6-3. マスタ登録の推奨順序

マスタ間には依存関係があるため、以下の順番で登録してください。

順番 マスタ名 理由
1 工程マスタ 自社の製造工程を定義する最重要マスタ。最初に登録します
2 設備マスタ 設備グループマスタの登録前に必要です
3 担当マスタ 担当グループマスタの登録前に必要です
4 外注先マスタ 外注工程がある場合に登録します
5 設備グループマスタ 設備マスタ登録後に登録します
6 担当グループマスタ 担当マスタ登録後に登録します

6-4. 各マスタの登録内容

6-4-1. 工程マスタ

自社の製造工程を定義する、最も重要なマスタです。 ここに登録した工程が、製造工程設計・スケジューリング・ガントチャートすべての基本単位となります。事前に自社の製造工程を整理した上で登録してください。

フィールド 必須 意味
工程コード Y 識別子。重複不可。
工程名 N 工程の名称。アプリ定義上は任意ですが、入力が推奨されます。
設備利用有無 Y 設備を利用する工程かどうか。「無」の場合、設備の割り当てはできません。
優先リソース Y 自動スケジューリング時に「設備」と「担当」のどちらを優先して空きを探すかを指定します。優先リソースの空き時間を基準に日程を決定した後、非優先リソースの割り当て可否を検索します。
担当の自動割当 Y スケジューリング時に担当者を自動割当するかどうかを指定します。
製造数依存 Y 工程の占有時間が製造数に依存するかどうかを指定します。「依存する」の場合、占有時間=前段取り時間+(製造数×部品点数×単位加工時間)+後段取り時間で計算されます。「依存しない」の場合、占有時間=前段取り時間+(部品点数×単位加工時間)+後段取り時間で計算されます。
ラベル色のカラーコード N ガントチャートで工程を表示するときの色を指定します。
表示順 N 選択リストなどでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規の製造工程設計・スケジューリングの対象外となります。

6-4-2. 設備マスタ

製造で使用する設備の一覧を登録します。GROWで使用する設備はすべて事前に設備マスタへの登録が必要です。

フィールド 必須 意味
設備コード Y 各エントリの識別子。重複不可。
設備名称 Y 設備の名称。
稼働開始時刻 Y 1日の稼働開始時刻。
稼働終了時刻 Y 1日の稼働停止時刻。24時まで稼働の場合は「0:00」を設定。
表示順 N 選択リストやガントチャートでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規計画の対象外となります。

6-4-3. 担当マスタ

工程を担当する従業員を登録します。GROW工程管理では、各工程に対して必ず1人の担当が割り当てられることを想定しています。

ライセンス算定について:担当マスタの有効エントリ数と、ユーザー管理アプリの「計画者」ロールのエントリ数の合計が、システム利用料(ライセンス)の算定ベースとなります。

フィールド 必須 意味
担当コード Y 各エントリの識別子。重複不可。
担当名(表示用) N 姓と名を連結した表示用の名称。
姓 / 名 N アプリ定義上は任意ですが、業務を円滑に進めるために入力が推奨されます。
就業開始時刻 Y 1日の作業開始可能時刻。
就業終了時刻 Y 1日の作業終了時刻。
表示順 N 選択リストやガントチャートでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規計画の対象外となります。

6-4-4. 外注先マスタ

外注工程の発注先となる協力会社の情報を管理します。製造工程設計や日程計画で外注先を指定するには、事前に外注先マスタへの登録が必要です。

フィールド 必須 意味
外注先コード Y 識別子。重複不可。
会社名 N 外注先の会社名。アプリ定義上は任意ですが、入力が推奨されます。
表示順 N 選択リストなどでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規の製造工程設計での使用対象外となります。

6-4-5. 設備グループマスタ

設備をグループ化して管理します。製造工程設計で設備グループを指定しておくことで、スケジューリング時にグループ内の空き設備が自動的に割り当てられます。

設備マスタへの登録が先に必要です。 設備を使用しない工程に設備グループを割り当てることはできません。

フィールド 必須 意味
設備グループコード Y 各エントリの識別子。重複不可。
設備グループ名 N アプリ定義上は任意ですが、業務を円滑に進めるために入力が推奨されます。
設備候補TABLE/設備コード N グループに属する設備コード。
設備候補TABLE/設備名称 N 設備マスタからルックアップで取得。
設備候補TABLE/有効フラグ Y 設備マスタからルックアップで取得。論理削除済みの設備かどうかを示します。
表示順 N 選択リストなどでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規計画の対象外となります。

6-4-6. 担当グループマスタ

担当者をグループ化して管理します。製造工程設計で担当グループを指定しておくことで、スケジューリング時にグループ内の空き担当者が自動的に割り当てられます。

担当マスタへの登録が先に必要です。

フィールド 必須 意味
担当グループコード Y 各エントリの識別子。重複不可。
担当グループ名 N アプリ定義上は任意ですが、業務を円滑に進めるために入力が推奨されます。
担当候補TABLE/担当コード N グループに属する担当コード。
担当候補TABLE/担当名 N 担当マスタからルックアップで取得。
担当候補TABLE/有効フラグ Y 担当マスタからルックアップで取得。論理削除済みの担当かどうかを示します。
担当候補TABLE/優先順 N グループ内での担当者の優先順位。スケジューリング時に参照されます。
表示順 N 選択リストなどでの表示順序をシステムが参照します。
有効フラグ Y 「無効」に設定すると論理削除扱いとなり、新規計画の対象外となります。

6-5. 稼働管理(設備・担当者ごとの非稼働設定)

休日管理が「工場全体の休日」を管理するのに対し、稼働管理はリソース(設備・担当者)ごとの個別の非稼働時間帯を登録します。自動スケジューリング時に、これらの個別事情が考慮されます。

登録が必要なケースの例:

  • 特定の設備が午前中に計画メンテナンスを行う
  • 特定の担当者が特定の日に午前休暇を取得する
  • 設備の故障や点検による臨時停止

稼働管理への登録を忘れると、非稼働の設備や担当者にスケジューリングが入ってしまいます。計画実行前に最新の状態になっているか確認してください。

設備稼働管理

フィールド 必須 意味
設備コード Y 対象の設備を指定します。
非稼働開始日時 Y 非稼働となる開始日時。
非稼働終了日時 Y 非稼働となる終了日時。
備考 N 理由などを記録するメモ欄(例:「定期メンテナンス」)。

担当稼働管理

フィールド 必須 意味
担当コード Y 対象の担当者を指定します。
非稼働開始日時 Y 非稼働となる開始日時。
非稼働終了日時 Y 非稼働となる終了日時。
備考 N 理由などを記録するメモ欄(例:「午前休暇」)。

6-6. マスタデータの変更と論理削除

GROW工程管理では、データの整合性を保つため「論理削除」を採用しています。
各マスタ(休日管理を除く)には「有効フラグ」フィールドがあります。

有効フラグの仕様

有効フラグの値 意味
有効 通常通り使用可能。
無効 論理削除済み。マスタ上はデータが残るが、システム上は削除されたものとして扱われます。

論理削除データの振る舞い

  1. 既存データの表示:過去に作成された計画や実績でそのマスタが使われていた場合、そのまま表示されます(例:退職した担当者の名前も過去の履歴には残ります)。
  2. 新規作成・変更:新しく計画を立てる際や担当者を変更する際、論理削除済みのマスタは選択肢に表示されません。

これにより、「過去の記録は正しく残しつつ、これからの計画には使わせない」という運用が可能になります。

マスタ変更時のルックアップ再読み込み

マスタデータを変更しても、すでに登録済みの製造工程設計や工程管理レコードにはkintoneのルックアップ機能により変更前の値が残ります。変更を反映させるには、参照している側のレコードを開いてルックアップを再読み込みする必要があります。

ルックアップの一括再読み込みツールは現在検討中です。

6-7. 定期メンテナンスガイド

運用開始後は、以下のタイミングで設定の更新を行ってください。

タイミング 作業内容 参照セクション
随時 新入社員の担当マスタ登録・退職者の無効化 6-4-3
随時 新設備の設備マスタ登録・廃止設備の無効化 6-4-2
随時 計画メンテナンスや休暇の稼働管理登録 6-5
随時 グループ構成の変更(メンバーの追加・削除) 6-4-5 / 6-4-6
年次 翌年分の休日登録(年末までに実施推奨) 6-2

これで第6章は完了です。次の第7章では、生産計画の実践について解説します。

第7章:生産計画担当の業務シナリオ

項目 内容
対象製品 GROW工程管理 on kintone
対象製品バージョン Ver.4.0
ドキュメント更新日 2026-02-23

本章では、生産計画担当・工程管理担当が行う業務シナリオを、操作の流れに沿って解説します。各画面・機能の詳細仕様は 第10章:計画系機能リファレンス を参照してください。


この章の対象ユーザー

ロール 主な業務
生産計画担当 製造オーダ登録・展開・状況確認
工程管理担当 工程設計・スケジューリング・日程調整・計画確定・進捗管理・リスケ

業務フロー全体像

製造オーダ登録 → オーダー展開 → オーダー状況確認
  → 工程設計 → スケジューリング → 日程調整
  → 計画確定・作業指示 → 進捗管理 → リスケ調整

[!IMPORTANT]
前提条件

  • 製造オーダが展開されていない状態で、工程設計はできません
  • 工程設計が完了していない状態で、スケジューリングはできません

製造オーダ登録

7-1. 受注管理アプリから製造オーダを登録する

前提:受注管理アプリを利用している場合

手順:

  1. 受注管理アプリで受注を確定します
  2. 製造管理アプリを開き、連携された製造オーダの内容を確認します
  3. 必要に応じて製造数・製造納期を調整して保存します

詳細:製造管理アプリの入力フィールドについては第10章 10-1を参照してください。


7-2. 製造管理アプリで製造オーダを新規作成する

前提:受注管理アプリを利用しない場合

手順:

  1. 製造管理アプリを開き、「新規作成」をクリックします
  2. 品番・製造数・製造納期などの必須項目を入力します
  3. 保存します

詳細:製造管理アプリの入力フィールドについては第10章 10-1を参照してください。


7-3. CSV / API で製造オーダを一括登録する

手順:

  1. 所定のCSVフォーマットに製造オーダのデータを入力します
  2. 製造管理アプリのインポート機能、またはAPIを使って一括登録します

オーダー展開

7-4. 新規製造オーダを工程設計に展開する

手順:

  1. 製造管理アプリで対象のオーダーを開きます
  2. 製造オーダー展開」ボタンをクリックします
  3. 確認ダイアログで「オーダー展開」を実行します
  4. 工程管理アプリにレコードが作成され、製造管理No が自動採番されます

[!NOTE]
展開には 品番・製造数・製造納期 が必須です。


7-5. オーダー内容の変更後に再展開する

対象:納期変更・製造数変更が生じた場合

手順:

  1. 製造管理アプリで対象のオーダーを開き、内容を変更・保存します
  2. 製造オーダー展開」ボタンをクリックし、再展開します
  3. 工程管理アプリ側の情報が更新されます

オーダー状況確認

7-6. 一覧から納期と製造ステータスを確認する

手順:

  1. 製造管理アプリの一覧ビューを開きます
  2. 各オーダーの 製造納期製造ステータス を確認します

活用ポイント: 納期が近いオーダーや「未着手」のまま残っているオーダーを素早く見つけ、計画作業の優先順位を判断します。


工程設計

7-7. 工程設計を新規定義する

手順:

  1. オーダ別ガントチャートで対象のオーダーを選択し、アクションメニューから「製造工程設計」を開きます
  2. 定義方法を選択します
方法 使いどき
テンプレートを読み込んで定義 類似品の工程設計テンプレートがある場合
実績を流用して定義 過去の類似オーダーの工程設計を再利用する場合
手動で定義 ゼロから工程を組む場合
  1. 工程をキャンバスに配置し、順序を接続線でつなぎます
  2. 各工程のプロパティ(グループ・時間・内外製)を設定します
  3. 保存します

詳細:製造工程設計画面の各項目については第10章 10-2を参照してください。


7-8. 定義済みの工程設計を変更する

工程の追加・削除・並び替え

手順:

  1. アクションメニューから「製造工程設計」を開きます
  2. 工程ノードを追加・削除、または接続を組み替えます
  3. 保存します
工程属性の変更

変更できる属性: グループ / 内製・外注 / 段取り時間・単位加工時間・部品点数

手順:

  1. アクションメニューから「製造工程設計」を開きます
  2. 対象の工程ノードを選択し、プロパティパネルで属性を変更します
  3. 保存します
工程設計の再定義

手順:

  1. アクションメニューから「製造工程設計」を開きます
  2. 再定義の方法を選択します(テンプレート上書き / 実績流用上書き / 手動でやり直す)
  3. 新しい工程設計を定義し、保存します

7-9. 工程設計をテンプレートとして保存する

手順:

  1. 製造工程設計画面で「テンプレートとして保存」を選択します
  2. 保存方式を選択します
保存方式 使いどき
新規テンプレートとして保存 新しいテンプレートを追加する場合
既存テンプレートに上書き保存 既存テンプレートを最新内容に更新する場合

スケジューリング

7-10. 新規割当:工程設計完了後にスケジューリングする

手順:

  1. オーダ別ガントチャートで対象のオーダーを選択し、アクションメニューから「日程計画」を開きます
  2. スケジューリングモードと方向を選択します
モード 方向 使いどき
自動スケジューリング フォワード 最も早く完了できる日程を自動計算したい
自動スケジューリング バックワード 納期から逆算して日程を組みたい
半自動スケジューリング フォワード / バックワード リソースを手動で指定したうえでスケジューリングしたい
  1. 基準日時を設定し、「実行」をクリックします

詳細:日程計画モーダルの各設定項目については第10章 10-3を参照してください。


7-11. 追加割当:工程追加後にスケジューリングする

手順:

  1. 工程設計で工程を追加・保存します
  2. アクションメニューから「日程計画」を開きます
  3. モードを選択します
モード 内容
自動スケジューリング 追加された工程を含め、オーダー全体をスケジューリングしなおします
手動スケジューリング 追加された工程のリソースを手動で指定してスケジューリングします
  1. 実行します

7-12. リスケ:指定工程以降を再スケジューリングする

手順:

  1. 再スケジューリングの基点となる工程を選択します
  2. アクションメニューから「日程計画(リスケ)」を開きます
  3. モードを選択します
モード 内容
自動スケジューリング 基点以降の工程を最適な日程で自動計算します
手動スケジューリング 基点以降のリソースを手動指定してスケジューリングします
  1. 実行します

日程の調整

7-13. 製造納期を起点に日程を調整する

オーダーの納期に間に合わせることを優先して調整するシナリオです。

操作 手順
全工程を一括リスケ 日程計画画面で対象オーダーの全工程イベントを選択し、一括で日程調整します
D&Dで個別に変更 オーダ別ガントチャートで工程バーをドラッグして日程を変更します
ダイアログで精密に変更 工程バーをクリックして工程イベントダイアログを開き、日程・リソースを変更します

詳細:工程イベントダイアログの操作項目については第10章 10-4を参照してください。


7-14. 設備リソースに着目して日程を調整する

特定の設備の空き・負荷を確認しながら調整するシナリオです。

手順:

  1. 設備グループ別ガントチャートを開きます
  2. 設備ごとのスケジュールと負荷を確認します
  3. 以下のいずれかの方法で調整します
操作 内容
D&Dで設備を変更 工程バーを別の設備行にドラッグします(グループをまたぐ変更も可)
D&Dで未割当に設備を割当 設備未割当の工程バーをドラッグして設備行に置きます
ダイアログで変更 工程バーをクリックしてダイアログを開き、設備を変更します

詳細:設備グループ別ガントチャートについては第10章 10-6を参照してください。


7-15. 担当リソースに着目して日程を調整する

担当者ごとの作業状況を確認しながら調整するシナリオです。

手順:

  1. 担当グループ別ガントチャートを開きます
  2. 担当者ごとのスケジュールと負荷を確認します
  3. 以下のいずれかの方法で調整します
操作 内容
D&Dで担当を変更 工程バーを別の担当者行にドラッグします(グループをまたぐ変更も可)
D&Dで未割当に担当を割当 担当未割当の工程バーをドラッグして担当者行に置きます
ダイアログで変更 工程バーをクリックしてダイアログを開き、担当者を変更します

詳細:担当グループ別ガントチャートについては第10章 10-7を参照してください。


7-16. 複数オーダーの負荷を見ながら調整する

複数の製造オーダーをまたいでリソースの競合を解消するシナリオです。

手順:

  1. オーダ別ガントチャートを開き、負荷表示をONにします
  2. 他オーダーとのリソース競合を確認します
  3. D&D操作で日程を調整します

詳細:オーダ別ガントチャートについては第10章 10-5を参照してください。

設備・担当の負荷を解消する
操作 画面 内容
設備の負荷調整 設備グループ別ガントチャート(負荷表示) 同一設備の利用時間が重ならないよう調整します
担当の負荷調整 担当グループ別ガントチャート(負荷表示) 同一担当の作業時間が重ならないよう調整します

計画確定・作業指示

7-17. 計画を確定して作業指示を出す

手順:

  1. オーダ別ガントチャートで、スケジュール調整が完了したオーダーを選択します
  2. アクションメニューから「計画確定」を実行します
  3. 現場作業者が実績登録できる状態になります

[!WARNING]
計画確定後も日程修正は可能ですが、実績が入っている工程の削除などは制限されます。

作業指示書を出力する

手順:

  1. 計画確定済みのオーダーを選択します
  2. アクションメニューから「作業指示書を出力」を実行します
  3. 印刷・配布します

詳細:作業指示書の記載内容については第11章 11-4を参照してください。


進捗管理

7-18. 遅延している工程・オーダーを確認する

手順:

  1. オーダ別ガントチャートを開きます
  2. 以下の表示で遅延を確認します
表示 確認できること
遅延マーク 作業予定に対して遅れている個別の工程
遅延背景色 遅れている工程が存在する製造オーダー

活用ポイント: 遅延背景色でオーダーレベルの遅れを素早く把握し、遅延マークで具体的にどの工程が遅れているかを特定します。

詳細:遅延表示の仕様については第12章 12-3を参照してください。


リスケ調整

7-19. リスケが必要な状況を判断する

計画確定後に以下のような変化が生じた場合、リスケ調整が必要になります。

区分 要因の例
外部要因 特急品の割込み・納期変更・数量変更・外注先の都合・部材の仕入先の都合
内部要因 設備トラブル・急な人員不足・進捗遅れ
判断フロー
余力はあるか?
  ├─ 納期に間に合う
  │    └─ そのまま or 自動スケジューリングで最適化する
  └─ 納期に間に合わない
       ├─ 余力あり → 手動スケジューリング&D&Dで負荷100%超の計画を組む
       └─ 余力なし → 優先度の低いオーダーのリソースを解放し、
                      優先度の高いオーダーから自動スケジューリングを実行する

7-20. 製造オーダー1件のリスケを行う

手順:

  1. 7-19の判断フローで対応方針を決めます
  2. 状況に応じて以下のシナリオを実施します
状況 参照するシナリオ
日程全体をまとめて組み直したい 7-12(リスケ実行)
特定工程の日程を変更したい 7-13(製造納期着目の調整)
設備を変更したい 7-14(設備リソース着目の調整)
担当を変更したい 7-15(担当リソース着目の調整)

7-21. 複数の製造オーダーにわたるリスケを行う

手順:

  1. オーダ別ガントチャートで負荷表示をONにして全体状況を把握します
  2. 優先度の高いオーダーを特定します
  3. 優先度の低いオーダーのリソースを解放します
  4. 優先度の高いオーダーから順に 7-20 の手順でリスケを実施します

第8章:現場作業者の業務シナリオ

項目 内容
対象製品 GROW工程管理 on kintone
対象製品バージョン Ver.4.0
ドキュメント更新日 2026-02-23

本章では、現場作業者が行う業務シナリオを解説します。各画面・機能の詳細仕様は 第11章:実行系機能リファレンス を参照してください。


この章の対象ユーザー

ロール 主な業務
現場作業者 作業指示の確認・実績の登録

業務フロー全体像

作業指示を確認する → 実績を登録する(開始 → 中断 → 完了)

[!IMPORTANT]
計画が「確定」されていない工程は実績登録できません。計画担当者に確認してください。


作業指示の確認

8-1. 紙の「作業指示書」で作業内容を確認する

計画担当者から配布された紙の作業指示書で、担当する工程の内容・日程・数量を確認します。

詳細:作業指示書の記載内容については第11章 11-4を参照してください。


8-2. 差立てビューで自分の作業を確認する

副担当を含む、自分に割り当てられた全ての作業を一覧で確認します。

手順:

  1. 作業実績アプリを開き、差立てビューを表示します
  2. 担当する工程の内容・予定日時・ステータスを確認します
  3. 「作業完了を非表示」をONにすると、残タスクだけを表示できます

対応デバイス: PC・タブレット(スマートフォン非対応)

詳細:差立てビューの表示項目については第11章 11-1を参照してください。


8-3. 担当別ガントチャートで作業を確認する

メイン担当として割り当てられた作業を、ガントチャート形式で時系列に確認します。

手順:

  1. 工程管理アプリを開き、担当別ガントチャートビューを表示します
  2. 自分の行を確認し、当日・翌日の作業内容とオーダー情報を把握します

詳細:担当別ガントチャートについては第11章 11-2を参照してください。


実績登録

8-4. QRコードを読み取って実績を入力する

紙の作業指示書のQRコードを使って、素早く実績登録画面を開きます。

手順:

  1. 作業指示書に印刷されたQRコードをタブレット・スマートフォンで読み取ります
  2. 実績登録画面が開きます
  3. 8-7〜8-9 の手順で実績を入力します

8-5. 差立てビューから実績を入力する

手順:

  1. 差立てビューで対象の工程行を選択します
  2. 実績登録」ボタンをクリックします
  3. 8-7〜8-9 の手順で実績を入力します

8-6. 担当別ガントチャートから実績を入力する

手順:

  1. 担当別ガントチャートで対象の工程バーをクリックします
  2. 工程イベントダイアログが開いたら「実績登録」ボタンをクリックします
  3. 8-7〜8-9 の手順で実績を入力します

詳細:工程イベントダイアログの実績操作については第11章 11-3を参照してください。


8-7. 作業を開始する

手順:

  1. 実績登録画面を開きます
  2. 設備・担当者を確認します(計画と異なる場合はここで変更します)
  3. 開始」ボタンをクリックします

8-8. 作業を中断・再開する

休憩や日またぎで作業を一時中断する場合の操作です。

手順(中断):

  1. 作業停止」ボタンをクリックします

手順(再開):

  1. 再度「開始」ボタンをクリックします

開始・停止を繰り返すことで、実作業時間のみが正確に集計されます。


8-9. 作業を完了する

手順:

  1. 全ての作業が終わったら「工程完了」ボタンをクリックします
  2. 必要に応じて前段取時間・後段取時間を手動で入力します

8-10. 登録した実績を修正する

権限: 計画者ロールのみ実施可能

手順:

  1. 作業実績アプリから該当のレコードを開きます
  2. 誤りのある項目(開始・終了時刻など)を修正して保存します

第9章:分析・改善の業務シナリオ

項目 内容
対象製品 GROW工程管理 on kintone
対象製品バージョン Ver.4.0
ドキュメント更新日 2026-02-23

本章では、蓄積された実績データを活用して生産性を分析・改善するための業務シナリオを解説します。各画面・機能の詳細仕様は 第12章:分析系機能リファレンス を参照してください。


この章の対象ユーザー

ロール 主な業務
生産計画担当 工数集計・生産性分析・予実差異の確認
工程管理担当 ボトルネックの発見と改善

業務フロー全体像

工数を集計する → 予実差異を分析する → ボトルネックを特定する → 改善する

工数集計・生産性分析

9-1. 案件別の工数を集計する

製造オーダーごとの計画工数・実績工数を比較して、赤字案件や工数超過を発見します。

手順:

  1. 製造管理アプリ または 作業実績アプリのグラフビューを開きます
  2. 案件別工数集計」グラフを選択します
  3. 計画工数に対して大幅に超過しているオーダーを確認します

確認ポイント:

  • 見積金額に見合った製造コストに収まっているか
  • 特定のオーダーで繰り返し超過が発生していないか

詳細:グラフビューの仕様については第12章 12-1を参照してください。


9-2. 工程別の工数を集計する

どの工程に時間がかかっているかを把握し、ボトルネックを発見します。

手順:

  1. 工程管理アプリのグラフビューを開きます
  2. 工程別時間集計」グラフを選択します
  3. 時間がかかっている工程・作業者ごとのばらつきを確認します

詳細:グラフビューの仕様については第12章 12-1を参照してください。


予実差異分析

9-3. 標準時間と実績時間の差異を確認する

計画した工数(標準時間)と実際にかかった工数(実績時間)を比較して改善ポイントを特定します。

手順:

  1. 製造管理アプリの集計画面を開きます
  2. 標準時間と実績時間の乖離率を確認します
  3. 乖離が大きい工程・担当者・設備を特定します

詳細:予実差異分析の表示仕様については第12章 12-2を参照してください。

乖離パターンと改善アクション
乖離パターン 推奨アクション
特定工程で常に実績がオーバーする 標準時間の見直し(工程マスタの修正)
特定担当者のみ時間がかかっている スキルアップ教育・配置転換の検討
特定設備でトラブルが多い メンテナンス計画の見直し

ボトルネックの改善

9-4. ボトルネック工程を特定する

手順:

  1. ガントチャートや工数集計グラフを確認します
  2. 以下のどちらかに該当する工程・リソースがボトルネックの候補です
兆候 確認方法
常に負荷が100%近いリソース ガントチャートの負荷表示
仕掛り在庫が前工程に溜まっている ガントチャートの工程順序

9-5. ボトルネックを徹底活用する

ボトルネック工程を止めないことが最優先です。

アクション:

  • 優先度の高いオーダーをボトルネック工程に優先的に割り当てます(スケジューリング機能を活用)
  • 段取り時間の短縮を検討します

9-6. ボトルネックの能力を向上させる

アクション:

  • ボトルネック工程の人員を増やす
  • 設備を増強する
  • 外注を活用する

[!NOTE]
一つのボトルネックが解消されると、次の工程が新たなボトルネックになります。このサイクルを繰り返すことで、工場全体の生産能力を継続的に向上させることができます(TOC:制約理論)。