良かれと思って作ったアプリ。「Excelのほうが速い」と言われた日

kintone app vs Excel

こんにちは、ジムリンです!

前回、コーさんから「ボトルネックの本領を発揮させる」という考え方を教わりました。

工場長が本来の仕事に集中できるよう、情報共有の仕組みを作ろうと決意したボク。

夜遅くまで試行錯誤して、ついに試作アプリが完成しました!

「これで工場長を助けられる!」と期待を胸に、みんなに見せて回ったのですが……。

今回は、ボクが直面した「システム開発の壁」についてお話しします。

「工場長を助けるアプリを作る!」ボクの決意

前回、「ボトルネックの本領を発揮させる」という考え方を教わった結果、工場長が本来の仕事に集中できるように、環境を整えることが大切なんだとわかりました。

そうだ、工場長への問い合わせを減らせば、工場長の負担が軽くなる!

進捗や納期をだれでも見られるようにすれば、工場長への電話が減るはず!

進捗・納期共有アプリを作ろう!

 

ボクは決意を固めました。

それから毎晩、会社に残って試行錯誤を繰り返しました。

kintoneでアプリを作るのは初めてじゃないけど、「工場長を助けるため」と思うと、いつも以上に気合が入ります。

営業が進捗を確認できるフィールド、納期が一目で分かる一覧画面、検索機能……。

「工場長に電話しなくても、ここを見ればわかる!」

そんなアプリを目指して、何度も画面を作り直しました。

そして数日後、ついに試作品が完成!

「これで工場長を助けられる!」

期待と自信に満ち溢れたボクは、さっそくみんなに見せて回ることにしました。

自信作を見せて回ったら……予想外の反応の連続

自信のあったボクは、きっとみんな喜んでくれると思っていたんです。

でも、みんなの反応は思っていたものとは違いました。

同僚の反応「Excelの方が速いよね?」

まずは身近な営業の同僚に見てもらおうと思い、ボクは試作品の画面を開いて声をかけました。

 

ねえねえ、進捗確認アプリ作ってみたんだけど、見てくれる?

 

「へー、こんなの作ったんだ」

同僚は興味を示してくれました。

 

これで工場長に電話しなくても、進捗が確認できるんだよ!

 

ボクは自信満々に説明します。

 

でも、同僚は画面を見ながら首を傾げてこう言ったんです。

「うーん、でもExcelの方が速くない?

固まるボク。

 

「いちいちkintone開いて、検索して……って、手間じゃない?」

「今はExcelで管理してるから、それ見た方が早い気がする。」

「それに、この入力項目、面倒くさそうだし。」

 

ボクは少し戸惑いました。

 

ま、まだ試作品だから。これから改善していくよ!

 

思わず言い訳してしまいます。

 

「まあ、頑張ってね」

同僚はそう言って、自分の仕事に戻っていきました。

(あれ…?思ったよりも反応が良くないな…)

ボクの頭に不安がよぎります。

上司からの追加要望「もっと機能を増やせない?」

ボクは気を取り直して、上司に試作品を見せに行きました。

進捗確認アプリができたので見ていただけますか?

 

「おお、頑張ったね、ジムリン!」

上司は画面を見て、うれしそうに言ってくれました。

 

これで工場長への問い合わせが減りますよね!

 

ボクも嬉しくなって説明します。

 

「うんうん、いいね。でもさ……」

上司が言葉を続けます。

在庫数も見られたら便利じゃない?」

「あとね、作業指示も出せたら一石二鳥だよね!」

「それと、グラフで可視化できると社長も喜ぶと思うよ。」

「ダッシュボードみたいな画面あると、かっこいいしね!」

 

次々と追加要望が飛び出してきました。

ボクは慌ててメモ帳に書き留めていきます。

在庫数、作業指示、グラフ、ダッシュボード……。

これ、全部やらないとダメなのかな。

メモ帳がどんどん埋まっていき、不安が募ります。

 

「うん、じゃあよろしくね!期待してるよ!」

上司は満足そうに言って、会議室へ向かっていきました。

褒められたのは嬉しいけど、こんなにたくさん機能を追加できるかな。

またまたボクの頭を不安がよぎります。

購買担当からの厳しい指摘「これ、だれが入力するの?」

次は購買担当の人にも意見を聞いてみようと思い、担当者の席へ向かいました。

 

すみません、進捗確認アプリを作ったんですが、意見を聞かせていただけますか?

 

「ああ、いいよ。どれどれ……」

購買担当の方は画面を見て、すぐに質問してきました。

「これ、だれが入力するの?」

 

それは、工場の現場の方が…

 

「現場の人たち?」

購買担当の方の表情が曇ります。

「進捗を入力するのは現場?それとも事務?」

「ただでさえ忙しいのに、入力作業が増えるのは困るんだけど。」

 

あ……それは……。

 

ボクは言葉に詰まります。

 

「前のシステム導入のときもさ、結局現場に負担が増えただけだったんだよね。」

「現場の人たちは作業で手一杯なのに、パソコン開いて入力しろって言われても無理だよ!」

厳しい指摘が続きます。

 

ボクは「はい、考えます……。」としか言えませんでした。

過去のシステム導入失敗の影が、またチラついてきます。

入力の負担なんて、全然考えてなかった。

もしかして、これって失敗

不安は大きくなるばかりです。

一番聞きたかった声が、聞こえなかった

いろいろな人から意見をもらったけど、どれも厳しい反応ばかり。

でも、一番大切なのは工場長の意見です。

 

工場長に見てもらおう。工場長のために作ったアプリなんだから、きっと喜んでくれるはず!

 

ボクは工場長のところへ向かいました。

 

工場長、少しお時間いいですか?

進捗確認アプリを作ったんです。

これで社内の工場長への問い合わせが減ると思うんです!

 

ボクは画面を見せながら説明しました。

 

営業の方が進捗を確認したいときは、このアプリを見れば一目で分かります!

工場長に電話しなくても、必要な情報にアクセスできるんです!

 

でも、工場長は画面を見つめたまま、何も言いません。

長い沈黙が続きます。

ボクの心臓がドキドキと高鳴ります。

「……そうか。」

やっと返ってきたのは、その一言だけ。

工場長の表情は、どこか不安そうで、ボクが期待していた反応とはまるで違いました。

 

あ、ありがとうございました……。

 

ボクは力なく工場長の部屋を出ました。

工場長を失望させてしまったかも。不安だけではなく、焦りも出てきました。

「ボク、何やってるんだろう…」見失った自分の役割

デスクに戻ったボクは、メモ帳を開きました。

そこには、さっきまでに集まった意見がびっしりと書かれています。

「Excelの方が速い」

「在庫数も見られたら便利」

「作業指示も出せたら」

「グラフで可視化して」

「誰が入力するの?」

「入力負担が増える」

そして、工場長の「……そうか。」という、あの沈黙。

 

「みんなの期待に応えようとしたのに、うまくいかなかったのかな。」

ボクは頭を抱えました。

第5話で、ボクは「現場の気持ちに寄り添う」という自分のスタイルを見つけたはずでした。

でも今、その自信はどこにもありません。

工場長を助けたかったのに、逆に失望させてしまったかもしれない。

同僚たちも、だれも満足していない。

ボクには無理だったのかな……。

メモ帳を閉じて、ボクは机に突っ伏しました。

完全に自信をなくし、絶望の淵に立つボク。

 

この先、一体どうすればいいんだろう……。

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