kintone「レコード一覧分析AI」の効果的な使い方!AIでデータ整理を効率化しよう

残業で日報を読む日々を「kintone AIラボ」で解決しよう

毎日kintoneに送られてくる日報や業務報告を、すべて読み込むだけで多くの時間を奪われていないでしょうか?数値データはグラフで一目で把握できます。しかし、現場の「コメント」に埋もれているトラブルの予兆や不満は見落としがちです。

このようなデータを「全部詳しく読もう」とすると、他の仕事が回りません。かといって「ざっと目を通すだけ」では、重要な情報を見逃すリスクも…
そんな悩みを解決してくれるのが、kintoneの標準機能「レコード一覧分析AI」です。本記事では、「レコード一覧分析AI」の設定手順から現場ですぐに役立つ具体的な活用法までを解説します。

kintoneイメージ

設定1分の「レコード一覧分析AI」でデータを読む作業を効率化できる

レコード一覧分析AIとは、一覧画面に表示されている複数のレコード情報を読み込み、要約・分析してくれる機能です。「AI導入」と聞くと大掛かりに感じるかもしれませんが、追加費用は不要であり、今ある環境ですぐに使えます。

レコード一覧分析AI

ただし、「AIが高度な経営コンサルティングをしてくれる」と期待すると失敗します。このAIの本質は「優秀な書記係」です。大量のテキストデータを高速で読み込み、指定された通りにまとめる能力に長けています。高度な分析や提案を求めるのではなく、「大量の文字を読む苦行」を代行させる道具として活用することが成功の鍵です。

検索したいことを入れるだけでAIがデータを要約

レコード一覧分析AIは、生成AI技術を活用してkintoneのレコードデータを読み込み、要約や分析を行います。

従来のkintoneの集計機能は、数値データをグラフ化することには優れていました。しかし、日報やコメント欄といったテキストデータは、人が一つ一つ目を通すしかありませんでした。

kintoneのグラフ作成

生成AIは、自然言語処理(NLP)技術によって大量のテキストを瞬時に読み込み、文脈を理解した上でユーザーの質問に回答する能力を持ちます。従来のキーワード検索では拾えなかった「意味的に関連する情報」も、AIが文章の意図を解釈して抽出できます。

具体的には、AIが各レコードのテキストを意味のまとまり(トークン)に分解し、単語間の関係性をベクトル化して分析します。この処理により、100件の日報から例えば「安全管理上の懸念」に該当する記述を、表現の違いを超えて網羅的に抽出できます。また、月間の報告から「頻出する問題」を統計的に分析し、ランキング化することも可能です。人間が数時間かかる分析を、AIは数秒で実行できます。

生成AIのプロセス

本来の目的は「データを読むこと」ではなく、「データから得られた傾向をもとに対策を議論すること」です。AIが「読む作業」を代行することで、本来注力すべき「考える時間」を確保できます。

【手順】設定は「スマホの通知変更」くらい簡単

レコード一覧分析AIの設定は、拍子抜けするほど簡単です。以下の手順で完了します。

まず、kintoneシステム管理画面を開きます。次に、「kintone AI管理」の設定項目を探してください。

AI設定1

ここから各種AIの有効化を設定できるので、「レコード一覧分析AI」にチェックを付けます。そして直下にある「設定」を押します。

AI設定方法2

設定画面でAIを利用できるアプリとユーザーを指定します。

AI設定方法3

設定にかかる時間は1~2分程度です。スマホの通知設定を変えるくらいの感覚で、誰でもすぐに使い始められます。

より詳しい手順はkintoneの公式ページをご覧ください。

【実践】「なんだ、使えない」と諦めないための指示出しのコツ

これで分析AIが使えるようになり、データを読む手間が省ける…と思ったことでしょう。しかし、AI初心者がハマりがちな落とし穴が「指示の出し方」です。分析AIには言葉で指示を出す必要がありますが、このとき多くの初心者が「要約して」「傾向を教えて」とだけ指示してしまいがちです。

「全体的に順調です」「報告が○件あります」といった当たり障りのない回答や、平均値しか返ってこないため、「やっぱりAIなんてこんなものか」と諦めてしまうケースが多く見られます。

指示の出し方

しかし、これは明確に原因があります。それはAIに「丸投げ」をしているから。丸投げをやめて「どこを(フィールド名)」「どういう視点で(観点)」「どう出力するか(構造)」を明確に指示することで、AIは適切な回答をしてくれるようになるのです。

効果的なプロンプト指定(フィールド・観点・構造)

AIに「いい感じにまとめて」は通用しません。「優秀な書記係」に指示を出すつもりで、具体的にオーダーする必要があります。

効果的なプロンプトには、3つの要素が必要です。

プロンプト作成の要素

1つ目は「フィールド」です。どの項目を見てほしいかを明示します。例えば、「『特記事項』と『懸念点』を見て」のように指定します。

2つ目は「観点」です。どういう視点で分析するかを指定します。例えば、「『安全管理』の観点で」のように視座を与えます。

3つ目は「構造」です。どう出力するかを指定します。例えば、「ポジティブ要素とネガティブ要素に分けて箇条書きで」のように出力形式を明確にします。

この3要素を組み合わせることで、AIは期待通りの回答を返してくれます。

【コピペOK】製造現場ですぐ使えるプロンプト例

実際の製造現場で使えるプロンプト例を3つ紹介します。そのままコピーして使えます。

1つ目は、日報要約です。「本日の『作業内容』と『備考』から、進捗の遅れにつながる要因を3つ箇条書きで挙げて」と指示します。これにより、複数の日報から遅延リスクを素早く抽出できます。

対象レコードの「作業内容」と「備考」を読み取り、
進捗の遅れにつながる要因を抽出してください。

・要因は最大3つまでとする
・各要因は簡潔な名詞句で表現する
・同じ内容は統合する
・推測ではなく、記載内容に基づいて整理する

出力は箇条書きで示してください。

2つ目は、トラブル分析です。「今月の『不適合報告』を読み込み、発生原因として最も多い要素をランキング形式で表示して」と指示します。傾向が一目で把握でき、再発防止策の優先順位が明確になります。

今月分のレコードに含まれる「不適合報告」を分析し、
発生原因として多い要素を整理してください。

・原因は内容の近いものをまとめる
・出現頻度が多い順に並べる
・上位からランキング形式で表示する
・各順位には簡潔な原因名のみを記載する

出力はランキング形式で示してください。

3つ目は、ヒヤリハット分析です。「『ヒヤリハット内容』から、重大事故につながる恐れのある記述をピックアップして」と指示します。埋もれていた危険な予兆を見逃さず、事前対策につなげられます。

各レコードの「ヒヤリハット内容」を確認し、
重大事故につながる恐れがある記述を抽出してください。

・人身事故や設備損傷につながる可能性を重視する
・注意喚起として有用な内容を優先する
・原文の表現をできるだけ保ったまま抜き出す

出力は箇条書きで示してください。

これらのプロンプトを参考に、自社のルールやフィールドに合わせてカスタマイズしてみてください。

kintoneを「記録置き場」から「意思決定ツール」へ

レコード一覧分析AIは、設定1分で使える「優秀な書記係」です。まずは機能をONにし、溜まっている日報データで「集計」ボタンを押してみてください。具体的なプロンプトを入力すれば、今まで見えていなかった現場の予兆が浮かび上がってきます。

AIに「要約」を任せることで、空いた時間を現場との「未来の対策」を話す時間に使えます。kintoneを単なる記録置き場から、意思決定を支援するツールへと変えていきましょう。

まとめ

最後に

ライブAI開発の案内
株式会社アディエムでは、kintone × 生成AIで日々の業務改善に取り組んでいます。
今回ご紹介したようなワークフローの他にも、お客様の業務に合った改善をご提案させて頂きます。
無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

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